無題

午前5時5分前。

 

Brad Mehldau の The Art Of The Trio, Vol. 3: Songs というアルバムの3曲目。

Bewitched, Bothered And Bewildered という曲が流れている。

スピーカーを鳴らすにはまだ早い。

この時間帯は普段ヘッドホンで音楽を聴いている。

耳に音を直接当てると文字が浮かんでこなくて、うまくタイピングできない。

きっと 僕のIQ がそんなに高くないせいだろう。

(IQが高い子は様々なノイズの中ででも勉強ができるという記事を昔読んだ。)

そういうわけで、今日はヘッドホンをワークデスクのフックに引っ掛けて、

そこからこぼれ落ちる音を聴きながらキーボードを叩いている。

 

なんとなく今日は正直に思っていることを書いてみたくなった。

少しだけ自分の本音、というのか。

普段頭に渦巻いてることを少しだけ漏らしてみようかという気分になった。

だから、今回は少し真面目に。

小声で話すような気持ちで書いてみる。

WWW(ワールド・ワイド・ウェブ)だと言うのにだ。

 

正直な思い。

って、なにかと言えば、

別に珍しい話でもないんだけれど。

僕もただ普通にこの世界に絶望しているっていうことで。

理想を描くとか、未来を想うとか、

そういったことが生きていてまるで頭に浮かんでこない。

なりたいものもなければ、したいことだってそれほどない。

ただ無為に時間を過ごし、

無為

仕事の時間以外はだいたい音楽を聴いてるけど、

まあ、常識的な社会人からすれば、

これはきっと無為と言わざるを得ないのだろうと思ってる、ってことだけど。

皆、成長する為になんらかの投資を自分にしているんだろうが、

僕はまったくそういうことができそうになく、

やる気を起こそうとして何かにとりかかってみても、

だいたいのことはただ虚しく思えていく。

まあ、医者に行くとそういう病気だって言われんだけど、

病気って言葉は本当に便利で。

えらいセンセーにそう定義されてしまえば、

こっちだって病人然として生きるほかはないわけだ。

その身分は楽ではある。

が、その先にもちろん未来はない。

 

話が重くなってきた。

こういうんじゃなくて。

そんな僕でも生きる楽しさが微かにはあるんだっていう、

そんな話をしようと思った。

それって、

口に出すと本当にダサいんだけど・・・。

まあ、正直にって言ったから言おう。

 

それは、人を笑わせたり、喜ばせるってことですね。

それがかわいい女の子ならなおさら。

 

世界に向けてインターネットにおっさんが書くことじゃないんだけど。

わざわざ活字にしてみて、一度プレビューしてみるがアホさしかない。

けれど、ほんとの気持ちってものを突き詰めるとそんな幼稚な言葉が出てくる。

 

ちょっとだけこの話に箔をつけてみるための引用を。

三島由紀夫は言った。

「人間の最も純粋な喜びは他人の喜ぶ顔を見ることだ」と。

 

 

僕は学生の頃はロックとお笑いが好きだった。

テレビはダウンタウン全盛期だったし、

その頃の深夜ラジオは今からでは想像もできないような野蛮さがあった。

人を笑わせることにはストイックなカッコ良さがある。

そんな勘違いを多くの若者にさせていた時代だったように思う。

僕のルーツも間違いなくその時代に培われたものだ。

菊地成孔は「その時代と寝た」という表現を好むが、

僕も結局90年代から逃れられない宿命の人間だろうと思う。

ダウンタウン大喜利をやり尽くし、僕達のようなボンクラ (©宇多丸)は、

意識的であれ無意識的であれ、その笑いのパターンの数々を記憶に刻みこまれた。

 

10代は終わり、多くの人が青春と懐かしむような記憶は僕にはもうあまりない。

20代の半分は地獄で、もう半分は暗闇だった。

30代手前になり、ようやく自我を取り戻しそうになった頃、

音楽とネットを介して、いろんな人に出会った。

チャットをし、通話をし、または直接会う機会もあり、様々な男女と関わるうち、

こんなクズのような自分をおもしろがってくれる人が少なからずいて、

その人たちの血の通った言葉、温もりに触れることで、

絶望はそりゃ晴れ切れるはずはないが、しかし、一縷の光明が差して見えた。

 

僕のコミュニケーション能力というやつは極めて低い。

咄嗟に機転の利く言葉をかけられないし、様々な場面で自分の経験不足を感じる。

暗黒のような人生と薬の作用、副作用の影響もあるだろう。

しかし、くだらないことを言って笑わせることだけはどうにかできたようだ。

笑いがとれる人というのは、コミュニケーション能力が必ずしも高いわけではない。

それでしか人との関わり方を知らないクズである場合も往々にしてあり、

僕がその部類だ。

齢35にもなろうという大男が、まともに人と対峙する術がない。

 

この先何を成そうともいまだに思えないのだけれど、

このまま人生が終わるとしても別段構わない程度の絶望と、

ただ、もしそうであるなら、僕のことを気にかけてくれるわずかな人たちが、

少しでも笑っていたり、喜んでいたりするところが見たいという気持ちと、

なんだかそんなぼんやりとしたことだけしか考えられないまま、

毎日ほとんど記憶を飛ばすように酒と薬を飲んで生きている。

 

気持ちが昂ってきたんだろうか。

書き初めたテンションとはまるで違ってしまっている。

小声で静かに何かを語るつもりだったが、結構ラウドに仕上がってしまった。

話が膨らみきらないままあっちこっちに飛んでしまってるな。

まあ、後で読みなおして赤面するのもいいだろう。

(※ひどく赤面したのでリライト中)

面の皮が厚くなっていくのも構わない。

だんだんバカで鈍重で耐え難いものになって生き残れば。

 

少し思っていることを漏らすのもたまにはいいものだ。

なんのまとまりもないヘタクソな文章でも。

つーか、こんなログを書き留めとくのがブログなんじゃなかったっけ。

まあ、そんなわけで寝ます。

また。